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著作権放棄により過去の恥ずかしい作品を葬り去ることができるのか | 栗原潔のIT弁理士日記

ハフィントンポストに「泉谷しげるさん、2曲の著作権放棄を希望『ホント恥ずかしい』」なんて記事が載ってます。泉谷さんが20代に作った『自殺のすすめ』と『先天性欲情魔』という曲が、今となっては稚拙で恥ずかしいため、自作のすべてを演奏するライブシリーズで演奏したくないというところから出てきた話のようです。

当時の時代背景もあると思いますし、大人版中二病的なものもあると思いますし、一般論としてクリエイターにとって今となっては捨て去りたい過去作品があるということは理解できます。

では、このような場合、著作権法的な観点から何かできるのでしょうか?

まず、著作財産権(狭義の著作権)ですが、泉谷さんが希望するように著作権を放棄をすると、作品がパブリックドメインになってしまい、誰でも自由に利用できるようになってしまいますので、たぶん意図するところと逆方向に進んでしまうと思います。

また、著作権法上は著作権の放棄に関する規定はありません。どうすれば放棄できるかについては諸説ありますが『著作権法逐条講義』では「新聞広告による著作権放棄の意思表示が必要」とされています。しかし、こんなことをすると、上記2曲が泉谷さんの作品であることを世の中にいっそう広めてしまうことになるのでさらに逆効果ですね。

問題の2曲のJASRACとの信託契約を解除して楽曲の著作権を泉谷さん本人に戻すことによって、この曲の利用を禁止する方がまだ適切だと思います(JASRACの規定的に特定の曲だけ契約解除できるのかよくわかりませんが)。ただ、この曲を含むアルバムの販売やレンタルはどうなるか等の現実的問題が山積みだと思います。

引用元: 著作権放棄により過去の恥ずかしい作品を葬り去ることができるのか | 栗原潔のIT弁理士日記.

アップル対サムスン裁判:なぜ前回と比較して賠償金額が大幅減なのか? | 栗原潔のIT弁理士日記

北カリフォルニア連邦地裁の1回目の訴訟では、アップルが約10億ドルの賠償金を勝ち取りましたが、それと今回とでは大きな差がある点も注目値します。これは、主に、前回の訴訟では意匠権が賠償額に大きな影響を与えていたためです(日本の報道だと米国の”design patent”も特許と訳されることがあるのでわかりにくいですが)。米国の特許法では、意匠権の侵害では侵害者が得ていた利益を全額賠償金として請求できる制度があるので、賠償金が巨額になりやすいようです(米国弁護士による解説記事(英語))。今回は意匠権は対象になっておらず、(狭義の)特許権5件(参照過去記事)が対象になっているので、このような結果になったようです。

引用元: アップル対サムスン裁判:なぜ前回と比較して賠償金額が大幅減なのか? | 栗原潔のIT弁理士日記.