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「オレの言う通りやれ」への反抗 野球評論家 工藤公康 :日本経済新聞

アドバイスは決して考えを押しつけるものであってはならないのです。あくまで選手の持つ能力を最大限に引き出すため、一緒に考えるための“助言”であるべきなのです。翌日から、コーチから放っておかれるようになりました。ただ、それは必ずしも悪いことではありませんでした。自分にとって理想のピッチングを追い求める日々の幕開けとなったのですから。

自分1人で工夫して、理想の投球を追求するのは子供のころからの習い性でした。野球自体、父親から無理やりやらされたもので、ずっと嫌いなスポーツでした。

小学生のころに頭の中にあったのは「早く人よりもうまくなってしまえば、残りの時間は自由に遊べる」というもの。それが動機になって野球に集中するのですから単純なものです。

引用元: 「オレの言う通りやれ」への反抗 野球評論家 工藤公康 :日本経済新聞.

「オレの言う通りやれ」への反抗 野球評論家 工藤公康 :日本経済新聞

結論から言えば、楽をしようとして続けたその努力が、私の投手としての基礎を作ってくれました。「楽して速い球を投げる」「楽して遠くへ投げる」。その「楽」を追い求めてきたことで、結果として誰にいじられるでもない、自分の体格にあった故障しにくいフォームを身につけることができました。一度始めたことを継続するという精神力も鍛えられました。そして何より「自分で考える」ことの楽しみを子供のころに知ったことが大きかった。

激しい競争にさらされるプロの世界に放り込まれても、1人で工夫と改善を続ける強い意志を生み、29年間という長きにわたる現役生活を支えるアスリートとしての地力を養ったのです。

ベテランといわれるようになったころ、私は、同じプロの仲間によく聞かれるようになりました。「どうやったら長くトップ選手でいられますか」。そして同時に、質問の背景にある隠された声が、私には聞こえてくるような気がしました。「もっと楽にコンディションを作る方法はありませんかね」と。

引用元: 「オレの言う通りやれ」への反抗 野球評論家 工藤公康 :日本経済新聞.