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部族社会に逆戻りするアラブ世界 | 川上泰徳 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

アラブの部族はもともとアラブ民族が出てきたアラビア半島に発する。サウジアラビアではいまでも部族は大きな影響力を持つ。イラクやシリア、リビアでも部族は大きな役割を演じている。部族と聞いても、日本人には実感がわかないかもしれない。私はイラク戦争後にイラク人に「部族」とはどのような存在なのか、と質問したことがある。 その答えとして彼は、「例えば、私が交通事故で誰かを死なせたとする。そんな時は、私の故郷の部族長のところに行って、自分が死なせた人間の部族との間で和解の話し合いをしてもらう」と、部族に頼る場合を挙げた。 部族同士で話をして、「血の代償」の金額を決め、それを払えば、話がつく。そのような部族を通した和解の手続きをしなければ、「血の復讐」という部族の復讐のルールが働いて、被害者の部族または家族に命を狙われることになる。「血の代償」の金額が決まれば、それを支払う部族は、部族の中で金集めをする。部族は地方を拠点にしているのが普通だが、首都バグダッドなどの都会に住んでいるイラク人も、困った時に頼るのは故郷の部族だという。ある意味で、保険のような役割を果たすとい%8

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陸上金メダリストの「女性化」にキレた米FOXニュースのご乱行 | アメリカ | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

保守系の米報道番組FOXニュースは、やはりLGBTがお嫌いなようだ。陸上競技のオリンピック金メダリストで4月にトランスジェンダー(体と心の性が一致しない人)だとカミングアウトしたブルース・ジェンナーを、放送で侮辱しまくったのだ。

ジェンナーが女性的になるための整形手術を受け、ケイトリン・ジェンナーとなってファッション誌バニティ・フェアの表紙を飾ったのがよほど我慢ならなかったらしい(報道によると、ジェンナーは性転換手術はまだ受けていない)。FOXの男性キャスターたちは、カミングアウト後は自分のことを「ケイトリン」「彼女」と呼んで欲しいというジェンナーの希望をあざ笑うかのように、彼女を繰り返し「彼」と呼び、バニティ・フェアの表紙に「なんだよこれ!」と毒づいた。

解説者のチャールズ・ペインを紹介する際には、ふざけて「シャーリーン・ペイン」と女性名で呼んで笑いを取る始末。ジェンナーについての意見を求められたペインも「こんな時代だからね」と、現代を退廃したローマ帝国末期になぞらえた。

金メダリスト カミングアウトする前のブルース・ジェンナー(右)と当時の妻クリス(2009年) STEVE MARCUS-REUTERS

FOXほど悪質でなくとも、他のメディアも似たり寄ったりだ。AP通信はジェンナーを「彼」としてツイートし、後から削除。ニューヨーク・ポスト紙は「HERE "SHE" IS」(これが"彼女"だ)と揶揄した。

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統合型リゾートというビジネスは、どうして成熟国の大都市向けではないのか? | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

仮にサンズか何かが、パリに「統合型リゾート」なるものを作って、その中で「全てが完結」するようにしたとします。ホテルがあり、カジノがあって、後は観光客向けのフランス料理屋があり、観光客向けの例えばですがレビュー・ショーの観劇があり、土産物屋がありというような施設です。

全く魅力はないと思います。観光客がわざわざ高い飛行機代を払ってパリに行くのは、本物のカルチャーの経験をしたいからです。地元のパリの人が行く路地裏のレストランに行き、オペラ座に行き、コンサートを聞きに行き、そしてパリの色々なホンモノの老舗で買い物がしたいからです。

東京の場合も全く同じだと思います。例えば、サンズが経営する「サンズ・トウキョウ・サムライ・リゾート」なるものがお台場にできたとして、そこには多少和風のコンセプトの内装にしたホテルがあり、カジノがあり、二流の歌舞伎まがいのショーが見られ、着物まがいのインチキな浴衣などを売る土産物屋があり、「なんちゃって日本食」のレストランがありというようなコンセプトでは、お客は来るでしょうか?

来ないと思います。

そうではなくて、外国人観光客は、それこそ「すきやばし次郎」のような「ホンモノの寿司店」に行って、地元の日本人と同じように「黙って儀式のように寿司が食べてみたい」し、秋葉原や原宿の街歩きをして現在の日本を経験し、歌舞伎座に行って最高の舞台を見て、更には築地市場を見学したり、鎌倉の寺社を拝観してこの国の長い歴史を実感したりしたいのです。新宿や渋谷のネオンきらめく雑踏へ足を踏み入れて、日本のカルチャーの「聖地巡礼」がしたいのです。そのために大枚をはたいて、家族揃って10時間以上もかけてやって来るのです。

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アメリカでサッカー人気が盛り上がらない理由 | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

アメリカ人に言わせると、「フットボールと違って一人でボールを持って駆け込めないのはつまらない」とか「アイスホッケーみたいに前へ前へ投げ込んで、取られても当たって奪い取るのが好きなのに」あるいは「MFもDFも局面によってはシュートを打っていいなんていういい加減な役割分担は嫌い」とか、とにかくトンチンカンな誤解が多いのです。 オフサイドにいたっては取られると「理不尽だ」と審判を「敵呼ばわり」ですし、多少「当たった」だけでイエローやレッドが出ると「興ざめだ」とか「やっぱり子供のスポーツだ」となるのです。 呆れてモノが言えないのが「45分間ダラダラ走っている割に点がほとんど入らないので退屈」という意見です。例えばアメリカン・フットボールにしても、バスケやホッケーにしても「時計の動く、動かない」という「計時の妙味」というのがあるわけで、サッカーはその点ではせっかちなアメリカ人の時間感覚には合わないようです。

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戦争を防ぐには「戦争のできる国」になる必要がある | 池田信夫 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

20世紀は世界大戦が2度も起こったが、延べ人口に対する死亡率は1%程度で、石器時代よりはるかに低い。現代は、人類史上もっとも平和な時代なのだ。それは軍事力が均衡して、先手必勝の非対称性がなくなったからだ。ここでは核戦争のような「相互確証破壊」になるので、互いに先制攻撃しないことが合理的戦略になった。

つまり平和主義によって平和を実現することはできず、戦争のできる国になることが戦争を防ぐ道なのだ。これは日本人の直感に反するかもしれないが、戦略論の初歩的な常識である。日本人も平和主義を卒業し、世界の常識を身につける必要がある。

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ユニクロの「カタカナロゴ」が「ガラパゴス化」を救う? | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

背景には、日本の「カタカナ」がデザイン的に「クール」だというイメージを持たれているということもあると思います。伝説的なSF映画『マトリックス』(1999年)のタイトルバックには、「カタカナもどき」の意匠が使われていましたし、今週末にアメリカで公開になる「最新版」の『ゴジラ』のタイトル(予告編段階)には、英語表記の裏にカタカナが重ね合わされています。

 アメリカでは、特に日本語を学習していない人でも、一定の割合で「カタカナ」のデザイン的な特徴を理解した上で、それが日本語の文字であることを知っています。更に日本のカルチャーに興味のある人の場合は、そこにある種の好感を持っているのです。

 今回のアメリカにおけるユニクロの「カタカナロゴ使用」には、こうした時代背景が前提になっているというのは間違いないでしょう。

 ですが、そうであっても、この「カタカナロゴ使用」というのは、それとは別に大きな意味を持つように思います。それは、国際社会において「日本の企業である」ということを堂々と名乗るということです。

 このことの意味は大変に重いと思います。それは、世界中で「ニッポン、ニッポン」と叫んで独善的に胸を張るという意味ではないのです。それは、世界各国で「日本企業」だということを名乗りつつ、各国の消費者に受け入れられ、各国の社会に貢献するという宣言に他なりません。法規制があればそれに従い、税制に則って税金を納め、宗教や文化上のタブーがあればそれを尊重する、そうした「社会的存在」として、逃げも隠れもしないということです。

 その上で、「日本企業」であることを堂々と名乗って行く企業は、日本のカルチャーの中で、明らかに世界で受け入れられるものはどんどん広めてゆき、その代わりに世界の常識から外れることは慎むという姿勢からブレない行動パターンを自然と取るようになっていくと思います。

 結果的に、そうした企業が増えることで日本経済全体もガラパゴス化を回避する事ができるのではないでしょうか? 現在、行きがかり上、海外市場で「無国籍」なブランドやマーケティングを展開している企業も、そろそろ再考の時期が来たと思います。

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カジノ合法化より問題? 日本人のギャンブル好き | 東京に住む外国人によるリレーコラム | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

何よりショックなのは、東北地方でパチンコ店が繁盛しているという話だ。被災地復興のために長時間働いて疲れ切った建設労働者などが、気晴らしを求めて給料を夜な夜なパチンコにつぎ込んでいる。日本政府は見て見ぬふりだが、稼いだ金を全部パチンコにつぎ込んでいたら、10年後は一体どうなるだろう。

パチンコの存在が許され、2.1%の復興特別所得税の多くが巡り巡ってパチンコ店に消えている日本で、カジノだけが危険視されるのも不思議な話だ。

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田中将大投手の入団会見は、どうして「準備不足」でも許されたのか? | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

今回の会見では、キャッシュマンGMがコメントの中で、2007年から田中投手の調査を開始していたことを明かしています。そして2013年に関しては、ホームゲームのほぼ全試合にスカウトを派遣しており、延べ11人のスカウトの意見を集約した結果オファーを出したという「楽屋裏」を明かしていましたが、NYのメディアはそのコメントにもかなり反応しています。つまり、今回の7年の大型契約というのは、無謀ではないという「安堵」をしたというわけです。 この7年契約という問題に関しては、例えばキャスターのマイケル・ケイは「仮に常識的な4年契約にしたとしますね。そうすると4年間大活躍したとすると、その次はどうしても7年というような大型契約になる、その場合は29歳からの7年契約ということで、多少リスクが出てきますね。でも、この25歳という時点から32歳の7年を押さえるという契約の方が全体的にリスクは低くなる」などという解説をしていました。まあ、その言い方には「田中は絶対に先発ローテを守って活躍する」というのが前提になっているわけで、とにかく多少今回の会見が準備不足であった%

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田中将大投手「超大型契約」に込められた期待感とは? | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

まず、1億5500万ドルという巨額な数字全てが、税金さえ払えば残りは田中将大という個人あるいは一家の生活費や資産形成に使われていいというのは間違いです。まず総額の5%は代理人のコミッションとして引かれますし、何よりも専属トレーナーや練習施設の維持費など、「ビジネスとしてのプロ野球」を継続していくためのコストは、この「総収入」の中から支払われなくてはなりません。つまりこの金額は個人の収入というより、「田中事務所」という会社の「契約高」だという考え方で自他共に見てゆくのが良いと思います。

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郵政民営化で届かなくなった手紙 | コリン・ジョイス | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

イギリスの郵政事業を担ってきたロイヤル・メールが昨年民営化されると、国民はサービスが低下すると予想した。国営時代には国内の全域で、日曜日を除く毎日配達が行われた。だが民営化されたロイヤル・メールはいずれ、地方での配達頻度を減らすなどのコスト削減策を進めるだろう。各地域のセンターまでは毎日配達するが、後は各自がセンターまで取りに来るか、週2回の配達を待つ方式になるかもしれない、と。

実際には、イギリス政府は民営化に移行する前に大胆なコスト削減を進めた。僕の子供時代には、郵便は1日2回届くものだった。1度目は出勤前の早朝に、2度目は午後に。それが今では配達は午前中の1度きり。大半の労働者にとって、「翌日配達」はすでに「翌日の夕方」の意味になってしまっている。

ロイヤル・メールはこの数年、大規模な「合理化」の波に飲み込まれてきた。自動化が進み、より弾力的な勤務形態が導入され、少ない数の大規模な配送センターに業務が統合された(労働者にとってはポストが減り、労働条件が悪化したわけだ)。2年前には、切手代が第一種郵便で30%、第二種郵便で39%も値上がりした。

国営時代のロイヤル・メールは民営化に備えて、たくさんの「汚れ仕事」を担っていたのだろう。民営化後にコスト削減や値上げ、利幅確保のためのサービス低下などを行って世論の反発を買うような会社では、投資家に敬遠されるだろうから。

イギリスでは、ロイヤル・メールの幹部たちが民営化前に意図的にサービス水準を引き下げたという説が、広く信じられている(もちろん証明はできないが)。そうしておけば、民営化後も以前と同じ水準を維持していると主張できるからだ。僕には真偽のほどは分からないが、今のイギリスにはこの手の皮肉な見方が広がっている。

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