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やらせるとまかせるはことなる – β2

仕事を頼むときに、「やらせる」のと「任せる」というのは何が違うか。

やらせるときには、あとで自分がチェックして改善することを無意識に考えている。良くいえば、まずは相手が自分の頭で考えてもらって、上がってきたものを直す過程で指導もできるという感じだ。なんだか寛容でできる上司っぽくてよく聞こえる。でもこれは間違いだ。実際は上司として「事前に色々考えるのが面倒くさい」とか「指示して漏れや間違いがあったら怖い」のがほんとうのところだ。

任せるとなると、頼む側の振る舞いはかなり変わってくる。

精神的に、胆力がないとなりたたない。すごく変なもの、ダメに思えるものがあがってくるかもしれない。大外しするわけにはいかないから、業務の背景、結果として実現しなければいけないこと、相手個人に特に何を期待し、何を懸念しているのか、もちろんスケジュールやフォーマットも必要に応じて事前に伝える必要がある。つまり指示を出すまえに仕事を定義しないといけない。脳みそを厳しく使うので、面倒くさい。上がってきたものに違和感を述べる方がラクだ。

頼む側もそうだが、頼まれる側もかなり違う。

やらされたときには、ふわっとした状況で作業を始めることになる。何が正しいか自分なりに考えてもいいが、たいていの人は「頼んできた人は何を考えているのだろう」ということに多くの時間を使う。結果として「どうせ直されるから、ささっと完成度の低いものを作ってまず提出する」というライフハックが生まれる。いずれにしろストレスのある作業だ。これをうまくやるのが(企業の求める)コミュニケーション能力というものである。

任された時には、仕事の定義と権限、責任がセットになってくる。頼まれる側の人の性格にもよるが、やる気は出る。責任があるのでプレッシャーという負担は大きいが、状況があいまいで困るという種類のストレスはない。

やらせると任せる、どっちがいいというのは必ずしも言い切れない。場合によるだろうと思う。ただ確実に言えることは、総合して時間がかかるのは「やらせる」ほうだということである。

引用元: やらせるとまかせるはことなる – β2.

戦略とはなんなのか – β2

英語の戦略系の読み物では、よく「フォーカス」と出てくる。絞り込みのことだ。経験から言っても、外資系はよくフォーカスを意識する。なぜこんなに彼らは絞り込みを重視するのだろう。ひとつの仮説は、海外では人種や生活レベルがバラバラで、考えていることもバラバラ、いちどに全員を相手に支持されることは難しいと考えていることだ。そういう意味では、日本は逆の傾向がある。日本の場合、根性とか工夫とかによって資源は無限になると考えていそうなところも、違いといえば違いではある。

最近、もう一つのことに気づいた。彼らは時間軸で考えているということだ。最初はどこかに絞り込むかもしれないが、そのあと勢いがついて領域が広がっていくことをイメージしている。だから彼らは絞り込むポイントを入念に探す。最初にうまくいきやすいかどうかだけでなく、その後どれだけうまいことが成立するかを見ている。ドミノを倒すときに、どこから倒せば最終的にたくさんのドミノが倒れるのかを見ている。

このことを彼らは「戦略」と呼んでいるのだろう。現時点でマルバツをつけてマルが集まるところを選ぶのが戦略ではなく、時間をかけてドミノがたくさん倒れる見込みと、最初のドミノのありかについての考えを戦略と呼ぶ。最初のドミノは、できるだけ小さい力で倒せるところ、自分だけが倒せるところがよい。

引用元: 戦略とはなんなのか – β2.

何かをやめさせる時の考え方 – β2

何かをやめさせる時の考え方 – β2: いずれのアプローチにも共通しているのは、欲望を飼いならすという視点だ。殲滅するのではなく、うまく対処する。技術的なポイントは、何かを取り除くのではなく何かを足すことによって解決するということにある。ハッカーには彼女を、振り込め詐欺には練習を、海賊版にはライブを、脱税にはレシートを、それぞれ新たに持ってくることによって対処している。何かを防止するからといって、それそのものを消去しに行かない。

いうならば、何かをやめさせるということは、なにか別のことをさせるということだ。

何かをやめさせる時の考え方 – β2

何かをやめさせる時の考え方 – β2: 「欲望によって欲望を止める」という方向性もある。台湾ではお店がレシートを発行せず、売上金額が把握できず脱税が多発していたそうだが、レシートを宝くじとすることによって対処した。お客さんは宝くじとしてのレシートを欲しがるから、お店もそれを発行せざるを得ない。お客さんの欲望でもって、お店の欲望を止める。

何かをやめさせる時の考え方 – β2

何かをやめさせる時の考え方 – β2: 「抱き込み」だ。これは元の欲望の力をそのまま利用してしまうという話。アーティストが海賊版があると聞きつけて、むしろ現地にライブに行ったとか、あるいはニセモノコピーに悩んでいた企業が、それを生産していた工場を買収してしまうとかというのが、この方向性になる。

何かをやめさせる時の考え方 – β2

何かをやめさせる時の考え方 – β2: 過去に、振り込め詐欺の対策について考えたことがあったが、被害者になりそうな人に練習させてしまうというアイデアがあった。

「構え」の使いこなし – β2

「構え」の使いこなし – β2: 説得が上手い人は、相手を最後まで追い詰めない。あと一歩の所で、相手に新しい「構え」を用意する。ジゴロは、女性に「強引だったから…」という言い訳を用意するために、わざと自らをならず者に仕立てる。そんな印象に近い。

「構え」を自在に使いこなす人は、ほんとうに自由な人だと思う。しかし、ちょっと恐ろしい。

フェンスを外す人 – β2

フェンスを外す人 – β2: アイデアは民主的なものだから、誰が出したっていい。でも、既存のアイデアを廃止するなら、無粋な人にならないように注意しなければいけない。無粋な人は無粋な人なりに、フェンスがなぜ建てられたのかということを考えるべきだ。

アイデアの良し悪しは何で決まるか – β2

アイデアの良し悪しは何で決まるか – β2: なんらかのアイデアを求めている人というのは、アイデアの中身が具体的に浮かんでいるわけではない。ただ、どのくらい「?」と「!」を感じたいか、ということだけが決まっている。
もっと簡単にいうと、どのくらい驚いて、どのくらい納得したいかということだけが決まっている。